カーボンナノチューブなどのナノ材料の熱物性計測

photo1 カーボンナノチューブやグラフェンは現存材料の中で最高レベルの熱伝導率を持つといわれていますが、その熱伝導に関する実験的な検証は十分に行われていません。本研究室では、ナノ材料による革新的熱制御という最終目標に向かって、世界をリードする、ナノ材料の熱伝導率計測技術を駆使して実験的研究を進めています。具体的には、単一のナノ材料を自作の熱センサーにセットし、さらにイオンビームや化学修飾などで構造を変化させながら熱伝導の仕組みを理解します。

H. Hayashi et al., J. Appl. Phys. 113. 014301 (2013)

H. Hayashi et al., Appl. Phys. Lett. 104. 113112 (2014)

M. Narasaki et al., Appl. Phys. Lett. 111, 093103 (2017)


 ナノバブルとナノ液滴の研究

photo1 photo1 物質と物質の界面で何が起こっているのか実はよく分かっていません。例えば、界面で熱はどう伝わり、界面で起こる相変化を支配する要因は何かなど未解明な問題は多く、そもそも原子オーダーでは固体と液体の間はどうなっているのかさえ決着していません。そこで、完全に平坦な超撥水面を作った上でそこに付着しているナノオーダーの気相や冷却によって生じる凝縮液滴の初期形成過程について原子間力顕微鏡(AFM)や環境制御型電子顕微鏡(ESEM)を用いた実験を行っています。

Y. Yamada et al., Langmuir, 30 (48), 14532-14537 (2014)

T. Nishiyama et al., Langmuir, 31 (3), 982-986 (2015)

H. Teshima et al., J. Chem. Phys. 146, 014708 (2017)

Y. Tomo et al., Int. J. Heat Mass Transfer., 108, 1460-1465 (2017)


 ナノスケールでの熱輸送に関する数値シミュレーション

photo1 コンピューターの発展により、様々な物理現象がシミュレーションできるようになりました。ナノスケールでの熱や物質の移動は計測が難しいためにシミュレーション技術が重要な研究ツールとなります。本研究室では、原子1個1個の動きを追うことのできる分子動力学法や電磁気学に基づく輻射解析によってナノ材料中やナノ空間中における熱の輸送現象を理論的に探究しています。

K. Takahashi et al., Jpn. J. Appl. Phys. 49, 02BD12 (2010)

Y. Ito et al., J. Phys.: Condens. Matter 22, 065403 (2010)


 熱を利用したMEMS・マイクロデバイスの開発

photo1 マイクロマシン(MEMS)技術も既存のシステムを大きく高性能化することが期待されています。MEMSセンサーは今や自動車には欠かせないデバイスであり、航空機や人工衛星にも今後はMEMSの搭載が計画されています。本研究室では熱を利用した新しいマイクロデバイスの創製を目的とし、流れをサブミクロンオーダーで検知する熱式流体センサーや、細胞をナノオーダーで加熱するプローブなどの開発を行っています。また、ナノ材料とMEMSを融合させる技術についても研究しています。これらは全て研究室所有のマイクロ・ナノ加工設備を用いて学生自身が試作しています。

J. Hirotani et al., Sensors and Actuators A, 199, 1-8 (2013)

K. Takahashi et al., Nanoscale and Microscale Thermophysical Engineering, 3: 3, 169-182 (1999)

Y. Ito et al., J. Therm. Sci. Tech., 5, 1, 51-60 (2010)