研究テーマ



本研究室では航空・宇宙機の構造に関連して、軽量化と高信頼性に重点をおいた研究を実験と理論の両面から進めています。
 ■研究紹介ポスター(PDFファイル)


繊維強化複合材料の界面特性評価試験法の開発

複合材料の力学的特性は、構成要素である強化材・母材の材料特性だけではなく、各材料の境界面となる強化材/母材界面の特性によっても大きな影響を受ける。したがって、複合材料の特性を定量的に評価するためには、構成材料の特性に加え界面特性も正しく評価する必要がある。  現在、界面特性評価はPull-Out試験やMicro Bond試験のような単繊維試験が広く用いられているが、これは微小な単繊維を直接取り扱うという微視的なアプローチである。これに対し、本研究では多繊維試験片によるCompact Tension試験を実施し、複合材料の界面を考慮した破壊の解析を適用することで、巨視的なアプローチによる界面特性評価法の確立を図る。


VaRTM製CFRPの力学特性に関する研究

力学特性に優れたCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)は航空機構造への適用が広がっているが、CFRP複合材料の製造方法は高コストなオートクレーブ成形が主流であり、低コスト化を目指すため VaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)法によるCFRPの研究を行っている。


複合材料の破壊力学パラメータに関する研究

複合材料を用いた設計を行うためには、強度だけでなく、層間剥離の発生及び進展のメカニズムの解明と層間剥離進展評価法の確立が必要となる。本研究では破壊の3種類の変形モードのうち、モードT、モードU、及びモードTとモードUの混合モードについてそれぞれ層間破壊靱性試験を行うことでブリッジング則を導出する。そして混合モードでのブリッジング則の足し合わせにモード比によるパラメータを導入し、有効性を確認することを目的としている。


複合材料部分構造モデルの非破壊検査に関する研究

近年盛んに実用化が進められているハイブリッド材料。強化パネル越しのLamb波の伝播特性に関する研究。損傷検知の現場において、音速のチューニングを簡略化しシステマチックな検査をするため知見に乏しいハイブリット材料の音速のモデル化に取り組んでいる。




ナノ材料を用いた複合材料の開発研究

カーボンナノチューブ(CNT)は様々な優れた特性を持ち,複合材料の強化材として注目されている.しかし,CNTを用いた樹脂の特性は,期待されるほど向上していないのが現状である.これは,CNTが互いに絡み合っているために樹脂中に均一に分散しないことや,樹脂とCNTの界面接着性が悪いことが主な原因である.そこで本研究は,これらの問題を解決すべく,CNTに処理を施した複合材料を製作し,分散性・界面接着性が複合材料の力学特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている.


複合材料機械継手の力学特性に関する研究

航空機のような大型構造物を組み立てる上で必要不可欠な機械継手に複合材料を適用することで軽量化が期待されるが、複合材料機械継手はファスナ孔周辺の破損メカニズムが複雑であり、大きな設計係数が用いられている。そのため、期待しているほどの軽量効果を十分に得られていないのが現状である。そこで、本研究では複合材料機械継手の構造破壊までの破損メカニズムを明らかにし、適切な設計強度を定めることで、複合材料機械継手の最適設計を目的としている。




CFRPサンドイッチ板に関する研究

サンドイッチ構造は曲げ特性に優れており、特にCFRPを表面材に用いたCFRPサンドイッチ構造は軽量ながら優れた力学特性をもつことから航空宇宙分野やその他の様々は分野への適用が拡大している。そのCFRPサンドイッチ構造の基礎的な力学特性をはじめ、運用中に起こりうる損傷メカニズムの解明、適切な修復方法の検討などを本研究の目的としている。


複合材積層板の衝撃後圧縮疲労特性

近年,航空機宇宙機構造において複合材料の使用割合は著しく増加している.CFRPのような複合材料を一次構造に用いる際,衝撃後の圧縮強度CAI(Compression After Impact)強度は非常に重要な設計パラメータとなっており,CAIに関する多くの研究が行われている.本研究室では衝撃後の圧縮疲労挙動に関する研究が進められている.これらの研究により衝撃による疲労寿命の低下及び強度低下は,材料定数など材料固有の特性に関係する可能性が示唆されていることから,材料定数の異なる材料を用いて衝撃後圧縮疲労試験を行い,さらに,損傷進展過程の比較から圧縮破壊メカニズムを解明する.


熱可塑性複合材料の力学特性に関する研究

強化材に炭素繊維、母材に熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性CFRP (CFRTP)は成形時間が比較的短いため量産に適しており、今後様々な分野への適用が拡大していくことが予想される。そのCFRTPの力学特性は成形条件に大きく依存することがわかっている。本研究では成形条件によるCFRTP層間破壊特性への影響を明らかにすることを目的としている。


構造異方性を利用した空力弾性羽ばたき翼の最適構造に関する研究

現状のドローンの更なる小型・高性能化のために、生物を模した羽ばたき飛行が注目されているが、その翼の設計手法は未だ確立されていない。高速で振動する羽ばたき翼は、消費パワーを抑えるための軽量化に加え、最適な空力形状を保つための十分な剛性かつ適切な変形という相反する要求を満たす必要がある。本研究では昆虫の羽の凹凸形状を採用することで、軽量化とともに凹凸の波方向(構造異方性)により変形を制御し、高効率の羽ばたき翼実現を目指している。


ヒンジ型モーフィング羽ばたき翼の構造システムに関する研究

手の平サイズ以下の飛翔体開発において,羽ばたき型MAV(Micro Air Vehicle)が注目されている。現在では、開発に成功した機体も増えているが,最適な羽ばたき翼構造については未だ明らかにされていない。そこで、キャンバを制御するモーフィング羽ばたき翼が考えられ、数値解析により研究が進められている。本研究では、実験によりモーフィング羽ばたき翼の有効性を明らかにすること,及び実際にモーフィングを可能とする羽ばたき翼構造の実現を目指している。


異方性材料を用いたJointed-Wing型HALE航空機の空力弾性に関する研究

航空機の翼を長く延ばすと空力的に高効率になるものの、翼構造を頑丈にする必要があり重量の増加を伴いまう。そこで、主翼と尾翼を翼端で結合した新形態の翼(Joined-wing)にすることで、軽量かつ高効率を実現する方法が提案されている。本研究では、その新形態翼に複合材料の異方性をうまく利用することで、有害な変形を抑えつつ軽量化を実現する翼構造を研究している。


風レンズマルチローターシステムのモーフィング構造と空力弾性解析に関する研究

風レンズマルチローターシステムはマルチローターシステムの長所と風レンズシステムの長所を兼ねる.二つのシステムを合わせると,出力の効率を大幅向上することができる,しかしながら,それは発電機の重量の増加を起こす.なおかつ風が通過する面積も広くなり,風荷重が大きくなる.風レンズは薄くて強風によって変形しやすい.本研究ではコンピュータ援用エンジニアリングのツールを用いて風レンズの耐風安定性を構造的に高めることを目指している.




研究設備


インストロン 8501


インストロン 1125 + 恒温槽


超音波探傷器


落錘式衝撃試験機


自作試験機


九大航空HY-01(鉄工場作) + 恒温槽


オートクレーブ


ホットプレス


オーブン


ANSYS(有限要素解析ツール)


カッター


冷凍庫