ローバーの紹介


車輪型ローバー

wheelrover
エネルギー効率がよく,制御もしやすいため,現在までに最も多用されている移動方式です (例:Lunokhod-1[月,1970 年],Lunokhod-2[月,1973 年],Sojourner[火星,1997 年],Spirit & Opportunity[火星,2004]). 車輪移動型の場合,緩い土壌の上を走行するときに滑ってしまう危険があります. 特に月面は,レゴリスと呼ばれる非常に細かい粒子の砂に覆われているため,その危険は大きくなります. 本研究室では,テラメカニクスと呼ばれるローバーと土壌との間に働く相互作用を検討することで, このような地形においても安全に走行可能なスタック検知・回避システムについて研究しています.


跳躍型ローバー

uni_rover
小惑星などの重力の小さな天体の上では車輪や歩行では十分な地面反力を得ることができず,うまく移動できません. そこで,このような微小重力天体に対しては跳躍により本体の移動を実現するローバーが提案されています(例:MINERVA[小惑星イトカワ,2005 年(→ 着陸に失敗)])  ただし,着地時の姿勢がうまくいかないとその後の跳躍ができなくなる危険があります. 本研究室ではローバーの形状に 3 次元的な等方性を持たせることで,いかなる着地姿勢も許容する跳躍型ローバーについて研究しています.


歩行型ローバー

rover
凹凸の激しい地形を車輪移動型ローバーで走破することは難しいため,これまでのローバーミッションでは比較的平坦な土地の探査に限られてきました. このような地形では脚を振り上げることで障害物を乗り越えたりまたぎ越したりすることのできる歩行型の方が能力を発揮できることが期待されています. その一方で,脚を振り上げることで姿勢のバランスが崩れて転倒してしまう危険が大きくなります. これを回避するためには,脚の制御に複雑なアルゴリズムが必要になります. また,土壌は柔らかくもろいので,急に地面が変形したり崩落したりすることで,完全には転倒を回避することができません. そこで,本研究室では,胴体中心から見て 3 次元的に等方な位置に脚を取り付けることで転倒の概念を排除した歩行型ローバーについて研究を行っています. 地形に応じて歩行パターンをローバー自らが創り出すような移動アルゴリズムの開発を目指しています.