せん断切断過程のCFRP一方向強化材の様子

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は軽くて強度が高いという特徴から様々なものに使用され始めていますが,多くの加工時間を要するため生産コストが高いという欠点もあります。機械加工に関して,せん断による切断ができれば加工時間を大幅に短縮でき,生産効率を上げることができます。しかし,せん断条件の最適化なしでは材料内部に多数のき裂やはく離が発生します。そこで,せん断切断におけるCFRP積層板の損傷プロセスを実験とSPH法に基づいた数値シミュレーションによって評価しています。特に,解析では,CFRPを直交異方性均質材料としたモデルと,CFRPを不均質材料として繊維と母材に分けたモデルの2種類での解損傷進展析を試みています。実験とシミュレーションの比較を通じ,CFRP積層板のせん断切断のメカニズムや,それによってもたらされる損傷プロセスを評価することが最終目標です。

(代表論文・学会発表)

  • Shigeki Yashiro, Ryuji Ono, Keiji Ogi. Effect of machining conditions on the trimming damage in composite laminates induced by out-of-plane shearing. Journal of Materials Processing Technology, Vol. 271, pp. 463-475 (2019).
  • Shigeki Yashiro, Keiji Ogi. Experimental study on shear-dominant fiber failure in CFRP laminates by out-of-plane shear loading. Journal of Composite Materials, Vol. 53(10), pp. 1337-1346 (2019).
  • 小野竜士ら. 日本機械学会M&M2012材料力学カンファレンス, 2012年9月 <日本機械学会若手優秀講演フェロー賞受賞>