二次元材料の熱物性計測
原子数個分しか厚みを持たない超薄膜は二次元材料と呼ばれており、三次元の物質には見られない特異な物性を持つことから様々な分野での応用が期待されていますが、その熱物性に関しては十分に解明されていません。本研究室では、二次元材料による革新的熱制御という最終目標に向かって、世界をリードする実験的研究を進めています。具体的には、ラマン分光装置や走査型熱顕微鏡といった最新の機器とMEMSによるナノ熱センサーを組み合わせることで、二次元材料の熱伝導の仕組みを解明します。
S. Wu et al., International Journal of Heat and Mass Transfer, 171, 121115 (2021)
相界面のナノスケール観察
物質と物質の界面で何が起こっているのか実はよく分かっていません。例えば、界面で熱はどう伝わり、界面で起こる相変化を支配する要因は何かなど未解明な問題は多く、そもそも原子オーダーでは固体と液体の間はどうなっているのかさえ決着していません。本研究室では、原子間力顕微鏡(AFM)や環境制御型電子顕微鏡(ESEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることで気泡や液滴をナノスケールで観察し、相界面における種々の物理現象を解明します。
S. Nag et al., Langmuir 37, 2, 874-881 (2021)
S. Hirokawa et al., ACS Omega, 5, 19, 11180-11185 (2020)
H. Teshima et al., Applied Physics Letters, 115, 071603 (2019)