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大学院工学府航空宇宙工学専攻について

航空宇宙工学専攻の概要

(c) AlexanderGordeev - Fotolia.com  航空宇宙工学という学問分野は(1)統合性、(2)数理的な理解、(3)自然科学および科学的方法論の尊重、という三つの特筆すべき特徴をもっています。航空機や宇宙機を運用するためには、極限環境を克服しなければなりません。それには広く自然科学の成果に基づいた仮説に始まり、実験による発見、理論による解釈・説明、さらに実験で検証し予測へ進むといった科学的方法論を身につけることが必要となります。航空宇宙工学専攻では、さまざまな学問分野の研究者である教員全員が相互連携を意識して、このような特質を備えた人材として成長できるように大学院生の教育にあたっています。

 まず航空宇宙工学専攻の沿革から紹介します。新制九州大学に1953年大学院工学研究科が設置される際、前身である応用力学専攻が設置されました。この名称は長く用いられた後1996年に航空宇宙工学専攻へ改称され、その後1999年の大学院重点化、2000年の研究院制度導入を経て、現在の大学院工学府航空宇宙工学専攻へ至っています。本専攻は、学部で学んだ航空宇宙工学の基礎をさらに深化させて高度な教育と研究を行う専攻で、特に数学と力学の応用による工学的な思考法に基づく訓練を重点的に実施している点が特色となっています。

 では、航空宇宙工学専攻で何を学び、何を研究するのかについて簡単に説明しましょう。


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何を学び、何を研究するか

■航空宇宙熱・流体力学講座

 航空宇宙熱・流体力学講座では、航空機全体・翼の外部やエンジン内部などの流れ、燃焼の化学エネルギーを推進仕事にするエネルギー変換、これら熱と流れの現象を統合的に扱う数値シミュレーション技術や実験、マイクロ・ナノテクノロジーなどの最先端物理工学技術の高度な知識とその航空宇宙工学への応用について学習します。


■航空宇宙機構造強度講座

 航空宇宙機構造強度講座では、軽量で信頼性の高い航空機やロケットの構造強度技術の信頼性向上、スペースプレーンのシステム設計法、熱や流れなど各種環境と構造物の変形や振動との連成問題、先進複合材料の力学特性や損傷機構などに関する工学理論を学習し、関連分野の課題解決に向けた教育・研究を行います。


■航行ダイナミクス講座

 航行ダイナミクス講座では、航空機や宇宙機の飛行力学・運動解析、自動制御および機器に関する教育と研究が行われています。無人航空機や宇宙機の自律システムを実現するために最適化理論、先進制御技術、画像技術を応用する研究が進められていて、そこでは小型の無人機やロボットを実際に開発して検証の実験を行うなど、総合的かつ実践的な教育を行います。


■宇宙システム工学講座

 宇宙システム工学講座では、惑星や太陽の重力場において宇宙活動を実現するための基礎となる宇宙機の運動と軌道、地球と周回軌道の往復や軌道間・惑星間航行を可能にする宇宙往還機の機体形状や大気圏再突入時の空力加熱、極超音速飛行のための新しい推進システム、宇宙ステーションにおける微小重力実験に代表される宇宙利用技術などに関して、風洞実験や飛行実験、数値解析、小型人工衛星の開発などを通した総合的な教育を行います。


■応用力学研究所

 さらに、航空宇宙工学専攻には九州大学応用力学研究所から協力を受けている三つの協力講座もあります。そこでは大気環境の調和と保全、風環境設計システムの確立、機能性半導体のナノスケールとマイクロスケールのダイナミックス、セラミックス、複合材料、耐熱被膜構造等の先進的構造材料や構造要素の強度と破壊などに関する教育を行います。


■さらに詳細は

 各講座に含まれる研究室の詳細については、各研究室のホームページをご覧ください。


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主要設備

 以上のような教育と研究を支え、進めていくための主要な設備として、低騒音風洞(2mおよび3.5mの二つの測定部、最大風速60m/s)、高速風洞(マッハ数2.5および3.5の超音速風洞、マッハ数0.4~1.3の遷音速フラッタ風洞など)、微小重力実験用落下塔(高さ18m)、各種構造試験装置などが伊都キャンパス内に整備されています。


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入学試験

 修士課程(一般選抜・学部3年次生を対象とする特別選抜・外国人留学生特別選抜)および博士後期課程(一般選抜・社会人特別選抜)の入学試験情報については、九州大学工学府のページをご覧下さい。

 なお、修士課程一般選抜については航空宇宙工学部門のトップページから「大学院入試情報」もご覧ください。


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社会人博士の募集について

航空宇宙工学専攻では博士後期課程で学位を目指す社会人を募集しています。

社会人博士の募集について、詳しくはこちら。


大学院修了生の進路

 2000年3月~2009年3月の10年間における大学院修士課程修了学生の就職先は三菱重工業、トヨタ自動車、川崎重工業、IHI、本田技研工業、三菱電機、デンソー、マツダ、日産自動車、住友金属工業、日本航空 (JAL)、宇宙航空研究開発機構 (JAXA)、全日本空輸 (ANA)、富士重工業、スズキ、日立製作所、東芝、ブリヂストン、キヤノン、三菱自動車、などです。


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